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青い地球を守るため~♪

地球防衛軍4をプレイしている時に、

ふと脳内で再生された映像を文章化。

タイトルは『青い地球を守る為~♪』

オチなし。短いです。

地球防衛軍4に登場するフェンサーが主人公の、オリジナル設定満載なお話。

3時間で勢いだけで書いた。

後悔はしてな……いや、ちょびっとだけしてる。黒歴史が増えた。

地球防衛軍4_1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR_20150730235144

↓地球防衛軍4を知らないあなたは、すぐに入隊しよう



*表現的に若干グロいところもあるので、ご注意ください。
 推敲とか全然してないので細かい部分は気にしない。


タイトル:『青い地球を守るため~♪』

2026年7月4日 1800時
「オーバーロード作戦」

日本列島沖合

連合地球軍 第八艦隊 上陸用舟艇「ウミガメA2」内部。

連合地球軍 歩兵隊 極東軍第5歩兵師団 506連隊

第2大隊 E中隊 第1装甲歩兵小隊 通称「山犬隊」。


薄暗い視界の中、全身を覆うアーマースーツの作動音だけが、
肌と骨を軋ませながら、耳と脳に響いてくる。
低い低い耳鳴りのようなその音に混じって、
自分の心臓が、呻くように吠えていた。

「上陸開始30秒前!!」

待機モードになっているアーマースーツの鈍い作動音を突き破り、その声は聞こえた。

「総員、ロック解除!戦闘モード機動!」

スーツのモニターが機動する。
仄暗い上陸用舟艇の中に、100個の蒼い光が灯った。
それは、ナイフのように鋭利な形で、人魂のように不気味な、50人の蒼い眼孔。

「出力70%で固定!!上陸に備えろ!!」

低く唸るようなスーツの機動音が、爆発的な駆動音に変貌する。
足元から伝わる、上陸用舟艇の鈍い轟音と、ザリザリと耳を削る、無線の蠢音。

「空爆効果認められず!!歩兵部隊による強襲!!出番だぞ!!」

小隊長、通称「オヤジ」こと山田少尉のがなり声が、ヘルメットの中で反響した。
空爆効果認められず。その言葉に、少しだけ身体が震える。
恐怖とも武者震いとも、どちらにも感じられる微かな震え。
右手のスピアと、左手のシールドの状態をチェックし、その震えを押さえつける。

次の瞬間、激しい振動とともに、舟底が砂を削る不快な鳴動が周囲に響きわたった。
前方、おれの前に立ち並ぶ装甲歩兵の、さらに前、
微かな軋みと、乱暴な振動を纏って、上陸用舟艇のタラップが駆動した。

「……ようこそ諸君!!死ぬにはいい日だ!!」

ギラギラと照りつける夕焼けと、
敵味方の砲弾で赤く染まる海岸に、
おれたちは上陸を開始した。

おれたちは、二刀装甲兵。

「フェンサー」と呼ばれるそれは、

作戦生還率、僅か30%の、

「黄金の鎧を纏ったもやし」部隊。


アーマースーツの駆動音を騒々しくまきちらしながら、
おれたち第1機動歩兵小隊、通称「山犬隊」は、海岸へと上陸を開始した。
美しい白浜にうがたれた無数のクレーターが、味方の砲爆撃の激しさを物語る。
やや遠くから、散発的な敵味方の砲撃音が聞こえた。……既に戦闘が始まっている。

目の前に広がる海岸、そのさらに向こう、白浜にせり出した防波堤の向こうに、異様な光景が見えた。
「光のドーム」が連なった「光の防壁」

「亀蜘蛛、確認!!10時に2機!!小隊前進!!排除するぞ!!」

「オヤジ」の指示の元、50人の装甲歩兵達は、両手に巨大な武器を携え、
夕焼けに煌めく光のドームに向かっていった。
既に周囲では、他の上陸部隊も展開を開始している。
陸戦歩兵「レンジャー」、降下翼兵「ウィングダイバー」、空爆誘導兵「エアレイダー」、
その無数の兵士達の中から、先んじて前進をはじめた部隊こそ、おれたち二刀装甲兵「フェンサー」。
今、この海岸線では、数キロに渡って、数千、いや、数万の兵隊が、
おれと同じように、あるいはもっと酷い形で、上陸をしようとしているはずだった。
おれたち「山犬隊」は、この上陸作戦に参加している、
ちっぽけな戦闘部隊のひとつにすぎなかった。

一年前、地球外生命体「フォーリナー」(つまりおれたちが「クソ」と呼ぶ連中)が地球にやってきて、
人類と異星人の間で、二度目の戦争が始まった。
一度目の戦いで連中を撃退し、その技術を手に入れ、
有頂天になって軍備を増強していた人類は、
まさに万全の体勢で、連中を迎え撃った。
軌道上に並ぶ数百機のレールガン、超音速で敵を迎撃する数千発のミサイル、
地上には、高度な訓練を積んだ数十万の兵士と、無数の最新鋭兵器。
それは、人類の歴史上、最強の軍隊と呼ぶべきものだった。

そして。
最初の一か月の戦闘で、
1万人の兵士が手足を失い、
2万人の兵士が命を落とし、
3万人の兵士が行方不明になった。
この戦争における「行方不明」というのは、つまり死んだ、ということだ。
死体が確認できなかった、というただそれだけ。
死体が見つからない理由は知らない。
敵のプラズマで蒸発したとか、マザーシップの攻撃を受けたとか、そんなところだ。

とにかく、初戦からもれなく、人類は敗北を重ねた。
小さな勝利もいくつかあったが、それを凌ぐ大きな敗北が続いた。
連合地球軍の広報は、その小さな勝利を大々的に報じたが、
そんなことで戦況が変わるはずもない。

地球上からローマが消滅し、サンクトペテルブルクが消滅し、
(ここでの消滅とは、比喩的な表現ではなく、文字通り、地球の上から「消えた」という意味だ)
東京から、軍人も民間人も我先にと撤退しはじめた頃には、
人類の兵力は半分以下に減っていた。

状況を危惧した連合地球軍は、
バカバカしいプロパガンダに積極的に取り組み、
そのド下手クソなウソに騙された頭の悪い数百万人が、
鈍い目を熱気に輝かせながら軍に押し掛けた。
そのうちの、おれを含む約20%が、厳しい基礎訓練を耐え抜き、兵士となった。

俺が兵士となり、数度の戦闘を経験した頃、
東京を失った人類は、日本の陥落が目前に迫り、
同時にユーラシア大陸を失う瀬戸際にたたされていた。
既にEDFは中国大陸から撤退し、ロシアの戦況も思わしくない状況で、
大陸反攻への足がかりであるはずの日本の防衛線が、文字通り喰い破られてしまったわけだ。
それはつまり、反撃の機会が、永久に失われることを意味する。
そこでEDF総司令部は、乾坤一擲の作戦を計画した。
極東EDFの現有地上戦力の90%以上を投入し、
日本の南海岸線数キロに強襲上陸を慣行、一気に日本海側までの地域を制圧する。
20世紀の戦争でその戦局をかえる転機となった作戦名にあやかり、
この作戦は「オーバーロード作戦」と呼ばれた。
もっとも、ろくに訓練も出来ていない新規編成部隊が多くみられたことや、
その新兵達の大半が、攻撃性を高めるための催眠誘導薬の過剰摂取状態にあったことから、
「オーバードーズ作戦」と揶揄されることにもなったのだが。

そして今、

こうして、

おれたちは、

敵に占領された日本に上陸している。

「ブラストホールスピアチェック!!スラスター機動しろ!!一気に接近して叩くぞ!!」

オヤジの指示の元、おれたちガキどもは、その進行速度を大きく上げた。
アーマースーツの背部に装着したブースターが火を噴き、
二足歩行しかできないサルであるところのおれたちを、
恐るべき装甲歩兵として、あるいは大きなバッタのように、
空中へと高速で跳ね上げる。
おれはブースターのリミットギリギリまで跳躍しながら、
周囲の状況を観察した。
アクティブレーダーに表示される無数の青い点は、
今まさに海岸線へ、日本へ上陸せんとするおれたちの同胞を示している。
その真逆の位置、方角で言うと北に、幾つかの赤い点があった。
それこそが、おれたちが「クソ」と呼ぶ連中。「フォーリナー」。
どこからともなくやってきた、地球外生命体。
あるいは異星人。あるいは宇宙の客人。
いろいろ表現はあるだろうが、今この場で、連中の持つ意味は一つ。
おれたちの、敵だ。

「第一分隊先行するぞ!第二分隊は援護だ!!」

おれを含めた第一分隊が、白浜を飛び越え、防波堤を飛び越え、
その先にある住宅街へと侵入した。
どこにでもある漁村らしきその街は、既に放棄されて長時間が経過しており、
どこにも住民の姿は無かった。
ところどころ、黒ずんだ人型のようなものが、道路の隅に転がっていて、
おそらくそれが住民のなれの果てなのだと思った。

その街を包み込むようにして、おれたちの眼の前に、光のドームが広がっている。

夕焼けを反射して幻想的にきらめくそれは、息をのむほどに美しい。
だが、人類はこの「光のドーム」によって、恐ろしい程の損害を被っていた。
この光のドームは、まぎれもなく「クソ」どもの兵器であり、
人間が持つあらゆる兵器の攻撃を、全てシャットダウンしてしまうのだ。
銃撃、爆撃、砲撃、火炎放射、これまで人類はあらゆる攻撃を試し、
そしてその全てが徒労に終わった。初期の作戦に参加した機動部隊は、
この光のドームに妨害され、満足に戦うこともできず、あっという間に全滅した。
だが、人類にも手段がないわけじゃない。
そう、その手段のために、おれたちがいるのだ。
おれたちフェンサーの大きな仕事の一つは、この光のドームを、破壊することだ。

「第一分隊、出力90%に固定、跳躍前進!!」

アーマースーツの駆動音が激しくなり、
おれたちの進行速度は、さらに速くなった。
巨大な光のドームに侵入し、さらに突き進む。
光の幕を潜り抜ける時、アーマースーツがエネルギー波に干渉して、
ザリザリと嫌な音を経てる。だが、俺達は無傷で突破した。
光のドームは、超高速で進む物体を検知してその進行を妨害するが、
人間サイズの物体が、時速100キロ程度で侵入する分には、
何の傷害にもならないのだ。

「接敵!!」

やがて、アーマースーツのディスプレイに赤いアラートが点滅し、システムが敵の接近を警告した。
もっとも、敵に接近しているのはおれたちのほうだが。

「散開だ!!飽和攻撃で一気にカタをつけるぞ!!」

オヤジの一括で、おれたちは瞬時に散開を開始した。
ジャンプブースターを駆使し、敵を取り囲むように、隊員達が跳躍する。
ものの数秒で、赤い点はおれたちに包囲された。

おれたちの眼の前には、奇怪な形をした、シルバーの巨大なモニュメントがそびえたっていた。
モニュメントとはいっても、4脚の歩行装置を備えた、紛れもない兵器だ。
そのモニュメント的兵器は、中央が塔のように空へ伸び、
20メートルほど上空から、例の「光のドーム」を生み出していた。
その光は、上空100メートルにまで達し、時には1000メートルを越え、
人類の砲爆撃を完全に妨害してしまう。
こいつは「シールドベアラー」とよばれる敵の兵器で、攻撃能力は持たず、
シールド発生装置を運ぶだけの、ただの運搬機械だ。
俺達は光の甲羅を背負うその異様な運搬機械を「亀蜘蛛」と呼んでいた。
だが、その運搬機械によって、人類は貴重な機動部隊と、さらに貴重なパイロットを、
大量に失うことになったのだ。

銀色に光るその異様な巨体を見つめていると、
空調を備えたアーマースーツをきているにも関わらず、身体が凍りつくような気がした。
気を紛らわすように、自分の右手に持った兵器の感触を確かめる。
俺が右手に持っているブラストホールスピアは、特大の杭を超高速で打ちだすことで、
この怪物の巨体をすら、簡単に貫くことができる。
そのことが分かっているはずなのに、心臓が凍るような恐怖が、身体を支配していた。

「よっしゃ、ガキども、覚悟はいいか?」

オヤジのがなり声がヘルメットに反響し、脳髄にガンガン響いた。
その不快感が、心臓を凍らせている暇などない、ということを思い起こさせる。
そう、この一撃は、開幕の一打にすぎない。開幕の鐘打ちにすぎないのだ。
だが、ここで鐘を鳴らしたら最後、おれたちの内、30%しか、生き残ることは、出来ない。
「山犬隊」50人のうち、35人が、おそらくだが、死ぬ。

「……ぶちかませ!!」

オヤジの号令で、反射的に、おれは右手のスピアを起動し、
渾身の力で、目の前の異形に向かって「杭」をぶちかました。
渾身の力は、パワーフレームによって数倍に増強され、さらにスピアの機動システムと連動し、
対戦車砲すら可愛く感じるぐらいの、恐るべき獰猛さで、敵に打ち出される。
「……っ!!」
目もくらむような閃光と、しびれるような衝撃と共に、
一瞬で十数発の致命傷を受けた「亀蜘蛛」は、火を吹きながら崩れ落ちた。

「撃破!!出力80%で固定!!横列隊形!B中隊と連携して戦線を構築!!」

俺達が敵を撃破すると同時に、そこかしこで、光のドームがその姿を消した。
海岸線一体を覆っていた巨大な「光の壁」が、みるみるうちに消滅していく。
おれたちと同様に展開したフェンサー部隊が、一気に亀蜘蛛を攻撃したのだ。

亀蜘蛛達による「光の壁」の存在は、今回の作戦における大きな問題点だった。
光の壁は、あらゆる攻撃をシャットダウンし、無力化してしまう。
今回もご多分にもれず、上陸に先だって行われた空軍による爆撃や、
海軍による艦砲射撃は、全くと言っていいほど効果が上がっていなかった。
毎度毎度、御苦労なことだと思う。
別に、空軍や海軍が無能なわけじゃない。
ただ、連中の上層部は、戦い方のセオリーより対面を気にしすぎるというだけだ。
今回も、まず歩兵部隊による攻撃が最重要とされたにもかかわらず、
海軍と空軍はその面目を保つために、派手な艦砲射撃と空爆を断行した。
その勇壮な爆音は、実際には攻撃効果が無いとは分かっていても、
作戦に参加する兵士の士気を向上させたのは確かだ。
しかし、実際に敵を倒すのは、やはり俺達歩兵隊である。

「ぼさっとするな、とっととケツを動かせお嬢ちゃんたち!!」

オヤジの指示を受けた隊員達は、街の道路に放置された自動車を蹴散らしながら、
二重の横列を作り、速やかに他隊との連携を始めた。
道路上に、長く長く、装甲兵の陣形が構築されていく。
おれたちフェンサーの、最初の仕事は、これでおわりだ。

「槍の穂先」として敵の防壁を貫くのが、おれたちの最初の仕事。
俺達「フェンサー」は、戦闘部隊に先んじて敵陣に突入し、亀蜘蛛どもを叩き、戦線を確保する。
パワーフレームとパワーアーマーで強化された俺達は、歩兵というよりは戦車に近い。
敵の強力な防壁を火力と防御力でもってぶち破り、味方の突破口を開くのだ。
一見無謀な突撃だが、それを可能にするのが、この身を覆うパワーアーマーである。
パワーアーマーには、敵と味方を判別する各種センサーや、強力な火器管制システム、
さらに、第六世代であるこのフレームには、兵士の動きを即座にアーマーに反映させる、
神経伝達型のフィジカルフィードバック機構が備わっている。
第六世代フレームは、このフィードバックシステムによって、第五世代の約1.4倍の反応速度を実現し、
兵士の肉体的疲労を大きく減らすことに成功した。
こいつはとにかく便利な機能だが、頼りすぎると逆に咄嗟の反応が鈍ったり、
酷い時には(たとえば戦闘中の極度の興奮状態下では)意識混濁に陥ることもある厄介な代物でもある。
その上アーマー自体が、とにかく高価ときているから、おれたちは、レンジャーの連中から、
「黄金の装甲を纏ったもやし」などという、非常にありがたいあだ名を頂戴することもあった。
そりゃぁ、高価なスーパーアーマーで完全武装した男が貧血でぶっ倒れたなどと聞けば、
そう呼びたくもなるだろう。
もちろん、アーマーなしのフェンサーとレンジャーが相撲をして、フェンサーが負けることはまずない。
おれたちは、地上最強のもやしなのだ。笑いたければ笑え。
とはいえ、おれたちはこのアーマーを使いこなすための訓練を積んでいるし、強力な武器も持っている。
おまけに恐ろしく頑丈ときているから、並の戦車部隊よりおれたち装甲歩兵の方が強い、
と言える自信はあるし、事実そうだった。

だが、それでも。

それでも、おれたちは、作戦のたびに、多くの死傷者を出していた。
たとえおれたちが戦車並の火力と装甲を持っていても、
おれたちの敵は、おれたちを簡単に引き裂き、ボロ雑巾のように吹き飛ばし、
ハエのように踏みつぶし、まるで虫けらのように殺しまくる。
これは、どうしようもない事実だ。
おれたちの装甲は、巨大生物のアギトを防ぐことは出来ないし、
連中の酸を中和してくれるわけでもない。
友軍が戦闘準備を整える間、身を呈して陣を守る俺達は、
巨大生物の大群に相対的に少数で立ち向かわざるを得ず、本隊の到着が遅れたせいで、
フェンサー中隊がまるまる一個全滅してしまうことも、さほど珍しくはない。
戦闘に参加したフェンサーのうち、70%が、そうして命を落とす。
そして生き残るのは、残りの30%前後。
その30%は、実力のあるベテランか、そうでなければ強運の持ち主なのだろうか。

俺は3度の戦闘に参加し、3度生き残った。
それが実力なのか、強運なのか、そんなことは知ったことではない。
ただ単純に、俺が生き残ったのは「山犬隊」のおかげなのだ。
こいつらは、決して味方を見捨てない。
そして、それはオヤジのモットーでもある。

連合地球軍歩兵隊極東軍第5歩兵師団506連隊第2大隊E中隊第1装甲歩兵小隊、
通称「山犬隊」と呼ばれるこの部隊の、本来の名称は「フェンリル隊」である。
地獄の番犬にして、魔王の忠犬の名を冠したその部隊名が、
どうして「山犬」などというやぼったい名称になったのか。
その理由は、山犬達を率いるお山の棟梁であるオヤジこと山田少尉の存在だ。
「山田のオヤジ」として慕われるオヤジは、俺達の部隊長であり、
犬っころの躾を担当する士官殿であらせられる。
彼の性格を簡単に説明するのは、少々難しい。気楽で軽薄、それでいて慎重で豪胆。
もやしのように繊細で、猛獣のように獰猛でもある。
ただ一つ言えるのは、俺達はオヤジを尊敬しているということだ。

そんな隊員達が「山田」の山の字をとって、地獄の番犬の頭にかぶせた結果、
おれたちの部隊は、愛すべき「山犬隊」となったわけである。
オヤジのモットーにして、山犬隊のモットーは一つ。
「EDFは、決して味方を見捨てない」。
たとえどんな状況でも、おれたちは味方を見捨てない。
負傷者がいたら、可能な限り救助に向かう。それは俺達の美徳であり、誇りだ。
味方の損害など歯牙にもかけない異星人と違い、
味方の損害に涙し、その救助の為に命すらかける人類は、
その行動こそが美徳であり誇りであり、そしてなにより強さなのだ、と。
そのおかげで、俺は三度の戦闘を生き残ることができた。
その三度は、俺の誇りであり、同時に、
仲間を代わりに死なせてしまったという、大きな傷でもある。
センチメンタルを気取るのは好きじゃないが、
俺は戦う理由を、その傷に刻みこんできた。そして、これからも。


その時、横列隊形に布陣を完了したおれたちのアーマーに、
けたたましいアラート音が鳴り響いた。

「お客さんご到着!!団体さんだぞ、準備はいいな!!」

指揮官用のセンサー強化型アーマーを身に付けたオヤジが、
おれたちよりも先に敵を感知し、隊員達にアラートを送信したようだ。
つまり、俺達の上陸を察知した敵の群れが、ようやくお出ましというわけだ。
上陸自体は、既に察知されていたはずだ。
浜辺で聞いた散発的な敵の砲撃が、それを物語っている。
だが、それはあくまで前哨戦にすぎない。
おれたちフェンサーが亀蜘蛛を一層したことで、
敵は「本格的に」こちらの存在に気付いた。

あと数分もすれば、巨大生物の群れが、大挙しておれたちに殺到するだろう。
アクティブレーダーの上半分、北の方角が、まるで血液が布に広がって行くかのように、
じわりじわり、と真っ赤に染まった。

「くそっ、わかっちゃいたが、なんて数だ!!」

隊員の一人が毒づいた。

おれたちは、陣形を整え、その攻撃を迎え撃つ。
それこそが、おれたちの「二つ目の仕事」だ。
つまり、レンジャーを中心とした陸戦歩兵の本隊が上陸を完了し、
この場所に到着するまで、敵を防ぎ、戦線を維持し、上陸中の部隊を守る。

異星人との戦争は、近代的兵器を駆使してはいるものの、
その実態は、昔ながらの合戦と大差無かった。つまり、物量の問題である。
レンジャー部隊はEDF陸軍の中で、最も数が多い戦闘部隊だ。
基本的に1チームが5人以上で構成され、チーム全員が同じ武器種を装備することが多い。
突撃銃チーム、ショットガンチーム、ロケットランチャーチーム、といった具合だ。
これは人類対人類の戦争ではあり得なかった部隊構成だった。
巨大生物との戦いに、歩兵が銃一丁で立ち向かうのは無謀だ。
一匹の巨大生物を最も効率よく倒す為には、平均5人以上の兵隊が、
目一杯その火力を集中させてはじめて、なんとか互角並の戦いになるのである。
だからこそ、数人がチームとなり、戦闘を行う。
つまり、レンジャーは、「1チーム=一人の兵士」としてカウントしているのだ。
だから、レンジャーは昔の合戦絵巻のように、大挙して陣を組み、
集団による圧倒的な火力でもって、敵を焼き尽くす。
それは敵も同じで、恐ろしい物量を武器に、襲いかかってくる。
その合戦絵巻の中でおれたちは、レンジャー達が持つ「槍の穂先」、というわけである。

「後方より友軍!!ヘルダイバーだ!!」

突如、隊員の声が無線で友軍の到来を告げた。

俺はその声につられるようにして、後方、海岸側に目を向ける。
得も言われぬ未知の音を引きつれて、数百の豆粒で構成された編隊が、まっしぐらにこちらへ向かって飛んできた。
その豆粒は次第に大きくなり、人間大のサイズになり、
そして見上げる俺達の陣形を飛び越えて、レーダーが真っ赤に染まったエリアへと、突き進んでいく。

ショートレンジの光学兵器を中心に運用する特殊部隊、降下翼兵「ウィングダイバー」。
射程僅か数メートル、良くて数十メートルの特殊火器を携え、
飛行用ウイングを身にまとい、眩い軌跡を描いて巨大生物に突貫する「女性だけの」兵士達。

空を飛べない巨大生物にとっての天敵であり、
同時に、人類の強さを象徴するプロパガンダの主役でもある。
美しい女性兵士達をメインに撮影された広報映画は、
若者達から熱狂的に迎えられ、兵隊補充の原動力ともなった。

これは少々恐るべきことなのだが、
なんと、プロパガンダの影響を考慮した彼女達の訓練には「礼儀作法」の項目があるのだ(恐るべきことだ!!)。

広報的な意味はともかく、戦闘部隊の中にあっては、その不気味なほどに洗練された所作は、
おれたち歩兵隊をむしろ恐れさせ、サルを女から遠ざけるには、十分すぎる効果があった。
もちろん歩兵の中には、ダイバー達とお近づきになろうとする輩もいたが、
共同作戦に参加した後、あっけなく諦めてしまう連中が殆どだった。

その理由は「戦闘中の彼女達の姿」にある。

飛行用ウィングの圧倒的な機動力で敵に急接近し、
極短射程ながら高火力を叩きだす特殊兵器を自在に振るい、
巨大生物の群れに致命的一撃を与える彼女達の戦闘は、
「ダイヴ」と呼ばれ、ダイバー達の最も基本的な戦闘スタイルとされた。

おれたちはその戦いを、畏怖の念をもって「ヘルダイヴ」と呼ぶ。
あるいは、嘲りの念でもって、そう呼んだのかもしれないが。

巨大生物との戦闘がはじまると、連中は真っ先に敵陣に飛び出す。
亀蜘蛛との戦闘では槍の穂先であった俺達よりも先に。
そして俺達が敵陣へ切り込む頃には、既に巨大生物の死骸をひと山積み上げているのだ。
眩いばかりの軌跡を描き空を舞い、鋭利な光で敵を切り裂くその姿は、どこまでも美しい。
……だが、大抵は、その「ひと山」の周りに、数人が死体になって転がっている。
おれたちフェンサー隊は、その無造作に転がった骸から飛び出した骨や筋繊維を、
アーマースーツのディスプレイ越しに見下ろす羽目になり、
慣れていない新米フェンサーは、アーマーの中でゲロをぶちまけることになる。

ダイバー達は、機動性を確保するため、アーマースーツを着用していない。
飛行ユニットと連動した間に合わせのアーマーは防御力など皆無で、
手足に至っては生身が露出している。
これは一方で極めて効果的なプロパガンダの意味を持っていているが、
(ついでに言えば、俺達機動歩兵隊の士気を若干高める効果もある)
その結果が、戦場で酷い惨状を招いていることを、多くの非戦闘員は知らない。
生身で巨大生物の酸を浴びてどうなるのか、それはいうまでもない。

ダイバーにお近づきになろうとする歩兵が、すぐに諦めてしまうのは、そのせいだ。
新兵になりたてだったころ、俺もダイバーに憧れたことがあった。
女という存在が絶対的に少ない軍隊という組織の中で、洗練された所作と、知的な微笑と、
そして高い戦闘技術を持つ女性部隊。
それは、まだまだガキだったおれの眼には、ひどく崇高で気高いものに見えた。
そして、ダイバーの名前を幾人か聞き出し、戦闘中、あわよくば援護してお近づきに、等と考えていた。

そして実際に戦闘になって、ダイバーの突撃を目の当たりにし、
その苛烈な戦いの跡にようやく追いついたところで、
名前を聞いていたダイバーの頭が、全身の皮膚がめくれあがって骨や内臓がところかまわず飛び出した、
もはやなんだったのかよくわからない死体の上に乗っかっているのを見た時、
おれはアーマースーツの中で盛大にゲロをぶちまけた。

それからすぐに、おれはダイバーを追いかけるのをやめた。

追いかけても追いつけやしないのだ。

生還率60%のダイバーは、
生還率30%のフェンサーからしてみれば、空を舞う天使の如く、だ。
おれたちが彼女達に追いついた時、それは彼女達が息絶えた時に他ならない。
そしておれたちが死んだ時、彼女達は持ち前の機動力でもって、既に味方陣地に後退している。
それが、フェンサーとダイバーの関係性なのだ。

「ダイバーが戦闘を開始!フェンサー大隊は前進しつつ、援護せよ!!」

大隊長の通信がアーマースーツに響いた。

「さぁ、前進だぞワンコ共、女のケツを追いかけるのも悪くねぇ。お嬢さん方を全力で援護してやろう!!」

オヤジのがなり声がアーマースーツを震わせる。武者震いだった。
過去の幻想はきれいさっぱり流れ去り、俺の視界はクリアになった。

横一列になったフェンサーの隊列が、ゆっくりと前進を始めた。

民家の向こうから、戦闘の音が聞こえる。
おぞましい断末魔と、レーザーの閃光。
民家に火がつき、崩れた廃墟から、パチパチと火の粉が飛んだ。
鈍く光るフェンサーのアーマーを、業火がチロチロと舐める。

前進を続ける隊列の中から、誰からともなく歌声が響いた。

「蒼い地球を守る為~♪」

低いうなり声のような歌声が、隊列に広がる。

「EDFの出動だ~♪」

陣太鼓もない、軍楽隊もいない燃え盛る戦場に、おれたちの声だけが響く。

「煌めけ勝利の稲光~♪」

生還率30%の死の行進が、遂に始まった。

「宇宙人ども撃滅だ!!」

 -おわり-

地球防衛軍4_1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR_20150725171233





以上。

オチ?ねぇよンなもん!

なお、この後主人公の彼は、急きょ作戦への参加が決定した遊撃隊ストームチームによる、

「みねうち」という盛大な無差別攻撃で重症を負ってしまい、戦線を離脱します。笑。



小説家じゃないんで、作文のセオリーとかは完全無視ですが、

とりあえず、疲れた。

ゲームをしていてふと脳に沸いた映像を、文字にしただけなんですが……。

物書きって大変ですね。

わたしにはとても無理です。

途中で書くのが面倒になって、強引に終了させました。

戦闘シーンとか、今日一日じゃ、無理。

やっぱりゲームは素直に遊ぶのが一番ですね。

地球防衛軍4_1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR_20150725171108

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穏やかな生活を夢見て日々を過ごす、ゲーマーです。
ブログでは様々なゲーム紹介のほか、oblivionのMOD紹介なども。

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